「そっかぁ…ふーん。

じゃあさ、結弦。結弦はもちろん東城君と回るのよね?」



「えぇ?!・・・いや、東城君はきっとほかの子と回るよ。私なんかじゃなくてさ。」


「ほーら、自分を卑下しないの。(結弦なんて、学年で一番もててるのに。東城君がかわいそう。これだから天然な無自覚は。)」


…最後にぼそっと言った樹奈の一言が全く聞こえなかった。


「え?なんて言った?」


「なんでもないわよ。それより…東城君を今日中に誘ってみなさい。東城君もてるんだから、すぐにとられちゃうわよ?」



…気づけば新緑祭は3週間後。多分もう新緑祭の話が上がってるってことは東城君も誰かに誘われてるんだろうなぁ…。




「良いよー、私じゃなくても。もし機会があったら誘ってみるね。


って私、先生に呼ばれてたんだった。じゃあねーーー」



私は樹奈にそう告げてパタパタと先生の元に向かった。




「(東城君はもてるんだから…結弦には敵が多いわね。)」



そんなこと樹奈ががつぶやいてるなんてなんて私は知らなかった。