「あ、お兄ちゃん、ただいまー。あれ、お父さんとお母さんは?」


「んあー…旅行行った。」


…旅行?娘に何の断りもなく?!

「お姉ちゃんは?」


「分かるだろー?お前も高校生なんだから。お姉ちゃんは、彼氏の家だ。」


うん?彼氏の家って?良いじゃん、付き合ってるんだから。


「分からないって顔してるなぁ、お前は。大丈夫、いつか分かるから。」



ほんとにわかんない。お兄ちゃんが意味不明なこと言ってるー…。





「あ、そうだ。私もう寝るね。夜ごはんいらないから。」




そう言って私の部屋がある2階に走って、部屋の扉をバタンと閉めた。


はぁ…絶対にばれないと思ってたんだけどなぁ。今日はいろんなことがあったな。東城君にはばれちゃうし…樹奈は帰ってきたし。


あした…東城君になんて言えば良いんだろう。私は彼女にはなれませんっ、とか?けど、そうしたら代理の理由を考えなきゃいけなくなるし。


困ったな…