女子に…というか、自称"俺のファンクラブ会長"を名乗る伊織に騒がれるのは面倒なのでサボろうと思い、見つけたのがココ。


いや、前から知ってはいたが、なかなか入る機会がなかっただけなんだが。

樹齢100年で、"アノ人"と同じ名前を持つこの木の名前は"小町"。



なんだか運命を感じるなぁー、と木の根元に座って持参した本を開き、活字の世界に溺れ
て数十分。

ガサッという草を揺らす音で我に返る。



読書に集中し過ぎだろ、俺。



つーか、伊織だったら非常に面倒なことになるんだが…

伊織じゃないよな?


木の陰に隠れて様子を見ていると、なんとも無邪気な声が聞こえてきた。


『おぉーっ! キレーな桜!!』


と。

正直、ガクッと力が抜けた。

なんだよ、驚かせやがってっ!!