「…君がみかちゃん?」

澤木悠はコーヒーカップをカチャリと置きながら言った。

「どうも…なつみから話しは聞いてます…。」

澤木悠の強い目線に、少し戸惑いながら、やっと声を出した。

苦手なタイプ……かも……。

何を考えているのか、まったく予想できない。

整った顔で、大きな瞳。少し茶髪で、ふわふわと柔らかそうな髪。

ちょっと…女の子…みたいだ…。

「俺、芸大の4年で、絵画を専攻してるんだ。」

「そうですか…」


澤木悠は、身を乗り出して話し掛けてくる。

……なつみが隣で不機嫌そうな顔をしてコーヒーカップを見詰めている。

なんだろう……この空気……。