そして日は変わり、1日ぼーっと過ごしていた。今は、お母さんが来るまでの暇つぶし。

ここにいるのもあと数日か。物語の結末も見ないまま。でもいいんだ。そうだよ、私は昔から少女漫画も結末を見ないまま読むのをやめることもよくあったじゃない。そういうものよ。

「あれ?まだ教室にいたんだ」

メガネだ。こいつとはよく放課後に会うなぁ。1度だけ朝にも会ったけど

「ちょっと待ち合わせで」

「もう新しい彼氏でもできたんだ?」

「違いますよ。親が来るんです」

「え、なんかしたの?」

退学の手続きで・・・とは言わないほうがよさそうだ。私みたいな脇役はさっと消えるほうが良い

「何にもしてませんよ。保護者会するんですよ、ずっと都合が付かなかったので今日になったんです」

「へぇ」

それから少しの沈黙が流れた。そういえば、メガネは可奈子ちゃんに好意を寄せているんだろうか?最近は他の女の子と一緒にいることをもあまり見なくなったし…

「あの」
「あのさ」

そういったのは同時だった。なにこれ。初々しいカップルじゃないんだから、
まったく、そういうのは可奈子ちゃんとしなさい

「なに?遥花ちゃん」

「いえ、大したことじゃないんですが、
夏勿さん、
好きな人はいますか?」

そういうとまた黙って、私が座っている前の席にこっちを向いて座って

「居るよ」

しっかり目を合わせてそういってきた。
そうか、そんなに物語は進んだのか。可奈子ちゃんの事が好きだったとは…

「そんな気がしました。最近の夏勿さんは前より雰囲気が和らいだような気がしますし」

まぁ、前が最低だったってだけなんだが

「そう?じゃあ、近々告白しようかな」

「ほんとですか!頑張ってください!」

告白するのかぁ、見れるかなぁ…
まぁ答えは、NOもYESもないんだろうけど。だってまだ好きでも嫌いでもないんだから。

「実はね、その子に
ネックレスをプレゼントしたんだ。

この意味分かる?」