――翌日。
「おはようございます。早朝に申し訳ございません。制服をお持ちしました」
皆吉さんがクリーニングしたあたしの制服をアパートまで持ってきてくれた。
「ありがとうございます。あの……バイトの件なんですけど、やっぱりあたしには無理です。杏さんについていけるのは皆吉さんしかいないと思います」
「私もそう思います」
苦笑いするあたしに対して皆吉さんは爽やかな笑顔。本当に嬉しそうだな。
「メイド服は洗って返しますね。持っていても使わないし」
「分かりました。バイトの件は杏様にお伝えしておきますので。では、失礼致します」
一礼してパタンと閉じたドア。あたしはハンガーにかけたメイド服を取って洗濯しようと網に入れようとした時
「……ラミカ、その服ちょっと見せてみろ」
「うん」
聡ちゃんはメイド服のリボンの裏をめくりあげて、小さな丸い器具を荒々しく剥がした。
「何それ?」
「あのくそ姉貴! 盗聴器つけてやがった!」
………え?
「ええ――!!?? じゃあ、昨日の車の中の会話も……」
全部聞かれちゃったのぉ?恥ずかしいっ!!