1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】




「伊織さんのこと、ニューハーフって嘘ついてたくせに」


「ああれはっ! お前に俺が遊んでると思われたくなかったから」


「だから嘘ついたの?」


「そうだよ。他は嘘はもうねーよ。信用できないか?」



できるわけ……ないか。こんなに女にだらしなくて、どうしょうもねぇ俺のことなんか……



「――信じる」


「へ?」


「信じるよ……」



それは、今まで泣いたり、怒ったりした感情的になった表情じゃなくて


柔らかないつもの優しい笑顔のラミカだった。



「伊織さん、買い物袋を両手にたくさん抱えてたし」


「早速、手切れ金で買い物かよ? そのうえ、ラミカに嘘を教えるなんて最悪だな」



マジで俺も最低だったけど、伊織も最悪な女だ。



「でも、それだけ聡ちゃんのことが本当に好きだったんだよ」


「お互い遊びだったんだぞ?」


「遊びならここまで押し掛けて来ないよ」