サツをまくのは簡単だけど、タイムロスが痛い。
「ちっ」
スピードを速めようとした次の瞬間……
『並走は危険だからやめなさい!』
あ?
後ろを振り返ると、蘭を先頭にさっきコンビニで別れた仲間達がパトカーを囲んで走っていた。
「聡一さん! ここは俺らに任せて行って下さい!」
「お前ら……」
「パト一台ならなんとかなるっす!」
本当かよ?頼りないと思っていたヘッドだけどパトカーの進路を妨害するように走っていて、こいつらなら任せられると判断した。
ふぅと深呼吸をして俺は手をあげた。
「恩にきる! 捕まんなよ!」
「聡一さんも! 今度きちんと姐さんを紹介して下さいよ!」
姐さんって……
確実にお前らと同い年くらいだろ?


