「ああ、もしかして桜木高校っすか? 赤いリボンに紺の制服の」
「そうだ! 見たのか!?」
「はい。かわいい子だったんで、声かけたら泣いてて……」
泣いてた?
「しかもずぶ濡れだったんすよ。だからここのコンビニでビニール傘を買ってやったらありがとうって言って、あっちの方へ歩いて行きましたけど」
やっぱり……実家に向かったのか。あいつ、あのアパートは危ねぇって言っておいたのに!くそ!
「あの女子高生、まさか聡一さんの女っすか?」
「……みたいなもんだ」
「まじっすか!? よかったー手出さなくて!!」
声かけてる時点で、アウトだろ?もうつっこんでる暇すらもったいねー。
「じゃあな! お前らも早く散れよ」
「何水くさいこと言ってるんすか! おい!お前ら! 聡一さんの女を俺らも探すぞ!」
い、いらねぇ!こいつらをぶっちぎる勢いでラミカの実家へとバイクを走らせた。