「みっともねぇとこ見せてわりーな。帰ったらきちんと話すから」
「……うん」
それだけ言い残して……聡ちゃんは伊織さんを追ってアパートから出ていった。
……伊織さん、ニューハーフじゃなかったんだ。聡ちゃん、あたしに嘘ついてたの?
ていうか
聡ちゃんは……伊織さんを含めた複数の女の子と手を切ったって……今までは、たくさんの人と付き合ってたってこと?
やっぱりあたしの中の理想の王子様とかけ離れていた。
一方的にあたしが思っていただけのことなんだけど……
かなりショックを受けている自分と
あたしに惚れてしまったと言ってくれた聡ちゃんの言葉に衝撃を受けて
戸惑いを隠せない自分がいた。
「てか、ロリコンじゃないし!」
今さら言っても遅いか。誰もいない部屋で一人でテンパっていた。


