お腹すいた。そんなことを能天気に考えていたあたしはバカだった。
リビングのテーブルに囲むように三人座って、伊織さんの口から出てきた第一声は
「聡一、正直に答えて。この子のこと本命じゃないって言ってたけど、本当は好きなんでしょ?」
はい?聡ちゃんがあたしのことを好き?勘違いも甚だしいっつーの。
「……だったら何だよ?」
…………………………。
え………?
「ええ――!?」
「……うるせーよ。お前」
「だだだだってっ」
大人ってこんなにあっさりと人を好きだと認められるもんなの?
ていうか、聡ちゃんがあたしを好きだなんて信じられない!
「どうして? 遊びでも私は構わないのよ?」
「もうそういうのはやめたんだ。他の女とも切った」
「そんなの聡一らしくない!」
「俺もそう思うけどよ。本気でラミカに惚れたから。もう中途半端なことはしたくねーんだよ」
あわわ……わわ……
修羅場なのにドキドキするあたしは不謹慎?


