「ちびソウちゃんは? 死んだ聡ちゃんの名前からとった感じであたし勘違いしちゃったんだから!」
「ああ、総一郎? 字画がよかっただけみたいだぞ」
こ、恒さん……
マジでなんてさらりと勘違いさせるような紛らわしいことを……
エミさんは聡ちゃんが県外で元気でいることを、あたしに教えてあげようとしていたんだ。
それを恒さんが毎回止めてたってこと?
昨日の杏さんとの電話の『マジでムカつく別れ方で、私キレてるんだけど!』って言葉も
すべてつじつまが合う。
「……あたし、病んでたのに。苦しくてどうにかなりそうだったのに」
「ごめんな。だけど俺が死んでると思い込んでくれていたほうが逆によかったんだよ。俺のこと待っていないほうが逆恨みで狙われることもないだろ?」
「……あたしが聡ちゃんのこと忘れて、他の人と付き合ってたらどうするの?」
そんなこと、考えられなかったけど意地悪して言ってやった。
「もし、ラミカが他の男のもんになっていても奪いに行ってただろうな」
バカ……もう何も言えない。だって、聡ちゃんが生きてる。
二十歳になったあたしを迎えに来てくれた。その現実があまりに幸福すぎて
怒る気も失せた。


