あたしは子供のように声を出して泣いた。火をかけたヤカンの沸騰音が鳴り響いても動けなかった。
お父さんがあたしの代わりにヤカンの火を消してくれた。そして泣いているあたしの背中を撫でてくれた。
「……別れたの?」
「うん」
「そっか。ラミカは忘れられないんだね」
「うんっ……」
忘れられるわけがない。あんなに愛しい人のことを……
あたしが二十歳になるまで会えないと知った時
苦しくてどうにかなりそうだったのに
今、考えたら幸せなほうだった。三年なんてあっという間……三年我慢すれば会えるんだから。
「聡ちゃん……聡ちゃん……会いたいよぉ」
だけど、聡ちゃんは二度と会えない場所に行ってしまった。
もう、一生会えない――……
半身が引きちぎられるようなこの苦しみは
いつか消え去る日は来るの――……?
きちんと聡ちゃんの死と向き合って、前に進もうと決心したのに
あたしはまだもがいていた。前に全然進めていなかった。


