お父さんはあたしの部屋をキョロキョロと見渡すと、首をかしげた。
「ラミカは一人暮らし?」
「そうだよ。何で?」
「いや……てっきり聡一くんと同棲してるもんだと思っていたから」
――え?
「何でお父さんが聡ちゃんのこと知ってるの?」
「……ラミカにはあまり言いたくないことなんだけど……警察に厄介になった時に房の中で会ったんだ」
お父さんと……聡ちゃんが……あの時期に会っていたなんて……
「ほら、その時にもらったタバコ」
胸ポケットから出されたタバコの箱は確かに聡ちゃんの吸っていた銘柄のタバコで……
震える手で、ソッとタバコの箱を受け取った。
「……どんな話……したの?」
「自己破産して、ラミカに会いに行ってやれって。聡一くんの言葉のおかげで、やる気が出てね。今はパチンコ屋で働いてるよ」
聡ちゃんは自分が苦しい時も、あたしのことを考えて、想ってくれていたんだ。
「あともうひとつ……」
「何?」
「いつか挨拶に行くから、娘さんを手離す覚悟をしておいて下さいって。この時だけ敬語になるんだから。本気なんだと感じたよ」
お父さんと聡ちゃんの交わされた言葉を聞いて
――もう我慢できなかった……


