「あいつは……」
セフレだなんて言えねぇ。嘘はつきたくねぇけど仕方ないよな。
「あいつは男だ!」
…………………………。
「へ?」
「ニューハーフだ! 仕事の関係上、よく飲みに行ってて……極秘のネタを仕入れてきたら、俺んちで情報提供してくれる奴なんだよ」
「そんな人とキスするの? 関係って……まさか聡ちゃんって……ゲイなの?」
「ちげーよ! 俺は女が好きだ! 伊織は俺に惚れてるみたいだけどな。ネタ提供の礼にキスをせがまれるんだよ。アメリカじゃ挨拶みたいなもんだろ?」
言い訳苦しい――!これで納得できる奴は相当のバカ……
「そっかぁ! 良かった! 彼女さんだったら可哀想だなって思ってたから」
……バカで良かった。
とりあえず着替えを渡して脱衣室から出た。
そして換気扇を回した。香水臭くてやってらんねぇ!他の女達ともさっさと関係を切らないとめんどくせーことになるな。


