1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】




がっかりだ!!


好きな女の子も守れない人なんてあたしは無理。



聡ちゃんは拳銃を向けられても、あたしの盾になって守ってくれた。



……きっと、これから先の人生。あたしは聡ちゃん以上に好きになる人は現れないと思った。



「俺、メアド教えてくれるまで帰らねーし」


「ははっ、マジだ。こいつ」


「やりてーだけだろ?」



他のお客さんの迷惑になる。あたしは、ため息をつきながらメモ紙にアドレスを書いた。



「わ、マジで書いてくれた! 名前は?」


「水森ラミカです」


「ラミカ……?」



一瞬にしてコンビニ内の空気が変わる。さっきまでヘラヘラしていたお兄さん達は顔が青ざめていた。



「ブラアンの……」


「え? ブラアン知ってるんですか? 蘭さん達は元気ですか?」


「やっぱりそうだ! すんません! 俺達のことチクらないで下さい」


「へ?」



何?急に敬語になって腰も低くなるし、意味分かんない。



「どういうこと?」


「すげー伝説になってる族のヘッドが、姐さんの名前を口癖のように言うんですよ。手を出すなって」



蘭さんが……


あたしが深夜のコンビニでバイトをしていること、恒さんから聞いたのかな。


あえて店には来ないで、あたしの知らないところで守ってくれていることが嬉しかった。



ありがとう……