1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】




「え……」


「あの、だから……ずっとかわいいなって思ってて。今度、飯食いに行かない?」



深夜のコンビニのバイト。よくシフトが重なる同い年の大学生、佑くんからの突然の告白だった。



「あたしは……」


「彼氏、いないんだよね?」



昼間はOLして、夜はコンビニでバイトをしているあたしは男の子の影もないように見えるんだろうけど……



「好きな人はいるんだ。……ごめんね」


「そっか。じゃ、その好きな人とうまくいかないことを願ってるよ」


「えぇー何それ?」


「俺にも望みが欲しいじゃん」



……望み……か。


「好きな人が生きてることだけでも、希望だよね」


「え? どういう意味?」



これ以上は話せない。話したら泣いてしまいそうだから……


「いらっしゃいませ」



ヤンキーのお兄さん達がレジに飲み物とガムを持ってきた。深夜のコンビニってヤンキーが多いんだよね。あたしは臆することなく、笑顔で応対した。



「あ、この姉ちゃんかわいい〜」


「そんなことないです」


「ね、アドレス交換しよ?」


「うーん……会ったばかりの人にはちょっと」



こういう人達は困るなぁ。依然は男の店長に助けてもらったんだけど



隣にいた佑くんを見ると、見てみぬフリをしていた。