1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】




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高校を卒業したあたしは希望していた会社に入社した。給料も安定しているし、6時にはきっちりと退社できる。


その後、7時から深夜2時までコンビニのバイト。本当はかけもち禁止なんだけどね。



そんなあたしを心配して、たまに恒さんから電話がきていた。



『頑張りすぎだよ。寝る時間はあるの?』


「ありますよ。一人暮らしをするためにはこれくらいしなくちゃ。お金を稼ぐって大変なことなんですね」



お母さんを早く拓海さんの家に帰してあげたかったし。


あたしは寝る時間を惜しんで働いた。


そうしなくちゃ、眠れないから。あんなに寝ることが大好きだったのに……



不眠症になったかな。



「聡ちゃんもきっと今頃、頑張ってるだろうし。二人で暮らす時がくるまで、あたしもできるだけお金を貯めておきたいんです」


『……そっか、そうだね。あ、エミが実家から帰ってきたけど、会いにくる?』


「行きます! 赤ちゃんも見たいし!」



6月に無事男の子を出産したエミさん。出産祝いに、ベビー服とミニ手袋を作って約一年ぶりに恒さんの自宅を訪れた。