「……待つな。あいつなら」
「聡一はその間、依然のように遊べばいい。本命さえつくらなければ」
「ふざけんな。ラミカが一途に待ってくれてるのにそんなことするかよ」
「嘘だよ。そんなことしたら、これあげねーよ?」
ムカつく笑みで恒は財布の中から四つ折りにされた小さな紙を取り出した。
「何だよ、それ」
「ラミカちゃんの新しい携帯番号」
――!!
「……会えないなら電話は逆に辛いかもしれない。だけど一言、ラミカちゃんからの伝言に聡一も返してあげていいんじゃないか?」
ずっと待ってると言ってくれたラミカに……
俺からの言葉を……
「……サンキュ」
俺は恒から紙を受けとると、大切に財布の中に入れた。
「今、電話すれば?」
「帰ってからする」
「ああ、泣いちゃう?」
「お前、マジで殺すぞ」
ラミカの連絡先を手に入れることができて
ラミカとの繋がりができて
こんなに嬉しい気持ちになるなんて……
やっぱり俺には、ラミカしかいない――……


