サングラスをかけてるほうが、もっと目立つと思うんだけど……
「ラミカと連絡はとれてるのか?」
「ああ、小さな借家で母親と二人で暮らしてるって」
やっぱり。でも二人でよかった……
「安心しただろ? あの義理の弟と一緒じゃなくて」
「当たり前だろ。ラミカの母親もきっとまだ心配だから、別々に暮らしてるんだろ」
「だろうな。性癖って簡単には治らないみたいだから」
タバコの煙を吐きながら、窓の外を見た。あの日、飛ぶと決めた時のように真っ暗な空。雨が降るな。
「ラミカちゃんからの伝言。何年でも聡ちゃんのこと待ってるって」
…………何年でも…………
「聡一?」
「弁護士からラミカが二十歳になるまで会うことはできないって言われてさ。これからの三年間、会うこともできない俺がラミカのことを縛っていいのか考えてた」
鮫島ジジイも言ってたけど、一生会えないわけじゃない。
だけど……
「ラミカちゃんの想いを踏みにじるな。お前を待つって言ったら待つ子だろ?」


