1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】




――拘留期間満期日。俺は起訴されたがすぐに保釈申請が出され、親父が現金で保釈金を支払ってくれて保釈された。



迎えの車の中にはお袋と姉貴と皆吉さんも乗っていて、外を眺めながら口を開いた。



「……悪かったな、迷惑かけて。病院は大丈夫か?」


「バカね。うちの病院は評判がいいから大丈夫よ。それに聡一は人身売買事件とは関係ないって認められたんだから」



そう。ラミカの証言が決め手だった。そしてラミカの母親が、俺と暮らしていることを了承していた点も大きかったと弁護士は言っていた。



「警察の意地の拘留延長も無駄に終わったって感じね! 結局、取り立ての恐喝罪のみの起訴だったんでしょ?」


「ああ」



だけど弁護士からは固くラミカと会うことは禁じられていた。


今、どこに住んでいるのか連絡先さえ分からない。分からないけど……



「……姉貴、お前ラミカの居場所知ってるだろ?」


「何でよ」


「お前が探さないわけがない」


「愚問ね。その通り! 皆吉に調べさせたわよ。でもホテルから出た後の行方が分からない。マスコミに追われないような場所にお母さんと引っ越したんじゃない?」



マスコミ……そうだよな。ラミカは被害者だと思われているんだから。