「いい加減、白状してくれないかねぇ」
「白状も何も本当のことしか言ってねぇよ」
鮫島ジジイの取り調べはマジでうんざり。俺が人身売買が行われていたことを知っていたこと、未成年のラミカに暴行していたことの二点を認めさせようと必死だった。
「なぁ、周りの証言も俺と同じなんだろ? 矛盾してないならとっととここから出せよ」
「……じゃあ、何故あの夜、彼女を連れて逃げようとした? 何も悪いことはしてないのに」
――認めた。かまをかけたつもりだったけど、周りの証言も俺と一緒なんだ。
姉貴や恒達、そしてラミカもきっと
必死で俺を擁護してくれているんだろう。
「疑われてパクられるのは目に見えてたから。案の定この様だ。逃げても無意味なのは分かっていたけど、少しでも一緒にいたかったんだ」
ラミカと一緒にいられるなら、どんなきつい仕事でもやる。養っていける自信はあった。
「もう一度聞く。お前は人身売買に関与していないのか?」
「してない」
「被害者女性と体の関係はなかった?」
「一度もない」
そこまで言い切ると、鮫島ジジイはペンを回してため息をついた。


