正直に話しても信じてもらえないのは俺がヤクザだから……
俺は知らなかったとはいえ、人身売買が行われていたことも大きな原因のひとつだろう……
疑われても仕方ねぇか……。だけど、このクソジジイにはひたすら真実のみを話した。
「今日の取り調べはここまで。また後日行う」
「またお前の顔を見ないといけないのかよ」
「ああ、毎日毎日。お前が吐くまで取り調べは続くからな」
チッ!言ってろ。くそが。イライラしながら官に前後を挟まれ、取調室から出ていった。
「身体検査を行います。まず指紋を取りますね」
その後、三方向から写真を撮られて房へと移された。
鉄格子の中は畳で、洗面所とむき出しになったトイレもついてた。
いつかはここにぶちこまれる日が来ると思っていたけど
ラミカのために、絶対に入らないって固く誓っていたのに……
「ラミカ……」
今、どうしてる?
きちんと、恒や姉貴に頼んでおいたけど……
「……泣いてるんだろうな。泣き虫だから」
その夜は眠れず、起床時間まで布団の上で横になっていた。