「……惚れた女と一緒に暮らしていただけだ」


「惚れたねぇ……だから助けた? そして一緒に暮らした?」


「そうだよ。あいつの親父は夜逃げして一人だったし、同業者に狙われる可能性があったから俺のアパートに連れて帰ったんだよ」



そこまで話すと、鮫島は動かしていたペンを止めた。



「その夜にやったのか?」



は?



「レイプしたのかって聞いてるんだよ」


「――っ!」



するわけねぇだろ。できるわけねぇだろ。なんでこんなにこいつらは腐ってんだ。



「してない」


「惚れた女だろ? 我慢できるわけないだろ」


「ああ、我慢の毎日だったよ! あいつと両思いになってからもできなかったよ! 何でか分かるか?」



鮫島は眉を寄せて、俺を見てくる。いつの間にか、俺も感情的になっていて



「眠いから無理っておあずけくらってたんだよ! おさまりのつかないもんをトイレで隠れて処理していた俺の空しい気持ちが分かるか?」



………………………。


「クッ……」


「あ?」


「失礼。なかなかリアリティーのある作り話だと思って」



作り話じゃねぇ!!誰にも話したことがない情けない話を喋ったのに


こいつ、嫌いだ!!