あたしは学校帰りに公衆電話から恒さんの携帯に電話をかけた。
『もしもし』
「ラミカです」
『ああ、良かった。ごめんね。聡一から何かあったら頼むって言われていたのにすぐに動けなくて。今はどこに住んでるの?』
「お母さんと小さな借家で暮らしてます。心配かけてごめんなさい」
『ううん、それならよかった。聡一の父親が有能な弁護士をつけてくれたから。きっと大丈夫だよ』
聡ちゃんのお父さんが……よかった。聡ちゃんをきちんと守ってくれる家族がいて安心した。
『ラミカちゃんと会った翌日に逮捕されて、メールができなくなったって母親もキレてたし。あのぶっ飛んだ漫画家の姉ちゃんも、誤認逮捕だってサツに吠えてたし』
「フフ……杏さんらしい。エミさんは? 元気ですか?」
『うん。実は二人目ができて……ラミカちゃんを探すってきかなかったんだけど、つわりがひどいから大人しく寝かせてる』
「うわー! おめでとうございます! あたしは平気だから、赤ちゃんを一番に考えてって伝えて下さい」
すごい……エミさんは二児のママになるんだ。
あたしと同い年で、相手の恒さんも聡ちゃんと同い年。羨ましいな。
好きな人と結婚して一緒に暮らせて、赤ちゃんまで授かって
今のあたし達とは正反対。