「蘭からの伝言だ。聡一さんのためなら、サツに全力で証言するから安心して下さいって。一時、チームも解散するけどいずれ絶対に復活するからまたいつか会いましょうって」
「蘭……さんから……?」
どうして陸先生が蘭さんのこと知ってるの……?あたしが不思議そうな顔をしていると、陸先生はタバコをふかしながらフッと笑った。
「俺、ブラアンの初代ヘッドだったんだよ。みんなには内緒な?」
「えっ」
え――――!?
陸先生がブラアンの初代ヘッド!?
「黒あんのえらい人ってことですか?」
…………………………。
……………………。
「お前さ、前から思ってたけど勉強はできるのに日常会話はおかしいよな」
「うぅーよく言われます」
聡ちゃんは教えてくれなかったブラアンの意味を陸先生から教えてもらうと、あたしはビックリしすぎて開いた口が塞がらなかった。
「陸先生って元ヤンだったんですか?」
「気づいてなかった? ほとんどの生徒にはバレてるけどな」
確かに怒ると怖いけど思いやりもあって優しい。だからみんなから慕われているし……
――ああ、そうか。
元ヤンも暴走族もヤクザも……中には怖くて危ない人もいるかもしれないけど、あたしと出会った人達はみんな優しかった。
だから肩書きなんてあたしには関係ない。
聡ちゃんも、陸先生のように慕われている人だった。


