まさに犬と猫。ん?猿だっけ?とにかく向こうが噛みついてきたら、あたしも絶対に言い返した。
聡ちゃんの潔白を証明するために。
ビジネスホテルから借家にお母さんと移り住んだ頃には夏休みも終わっていた。
「……聡ちゃん、まだ釈放されないのかな」
「その時は一番に連絡がくるわよ。ほら、新学期早々遅刻しちゃうわよ」
お母さんに送り出されて、あたしは学校へ向かった。教室に入ろうとした時、テルミから腕を掴まれて、そのまま屋上に連れていかれた。
「どうしたの?」
「……携帯繋がらないけど。警察からまだ返されてないの?」
「何で知ってるの!?」
「毎日のようにニュースで言ってるから。ラミカの彼氏の名前も出てたよ」
「嘘……」
あたし、テレビも新聞もあえて観てなかったから知らなかった。
「17歳の女子高生も被害者にってマスコミがネタにしてた」
「……聡ちゃんはまだ釈放されてないの?」
「多分。もしされたとしてもラミカとは会えないよ」
――え?


