1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】




「ラミカさん、辛いと思うけど事件解明のために協力してもらえませんか」



――聡ちゃんと引き離された夜。お母さんがあたしを迎えに来てくれた。


お母さんにも聡ちゃんと逃げることは伝えておいたから……何も言わず泣いているあたしを抱き締めてくれた。


そして、ビジネスホテルに二人で泊まった。もうこの街にあたしの帰る場所はないんだと思うと涙が止まらなかった。



「日を改めて下さい。ラミカは寝てないんです」


「……分かりました。また伺いますね」



一礼してホテルの部屋から出て行く女性警察官の後ろ姿をボーっと眺めていた。



「ラミカ、聡一さんの疑いがはれるまでお母さんと二人で暮らさない?」


「……でも、拓海さんと拓也くんは?」


「再婚するまでは二人で暮らしていたんだから大丈夫よ。ラミカを今の学校から卒業させてあげたいし」



もう学校なんてどうでもよかった。聡ちゃんが何故、逮捕されなくちゃいけなかったのか


どうして、あたし達は引き離されてしまったのか



警察に対して憤りしか感じない。



警察なんて、嫌い。



大嫌い。