「聡ちゃん、少しでもいいから寝なよ。寝てないでしょ?」
「ああ、少し横になる」
不気味な天気……。昼間なのに、外は真っ暗だった。洗濯機の中の洗濯物は部屋の中に干したけど、意味がないことは分かっていた。
だって、もうこの部屋に帰ってくることはないんだから。
何もすることがなくなったあたしは聡ちゃんの隣に寝た。聡ちゃんは黙ってあたしの頭を右腕にのせて、腕枕してくれた。
「ラミカはどんな街に行きたい?」
「うーん……どこでもいいけど、無人販売とかあるような田舎がいい!」
「お前らしいな。最初はこんな小さな部屋だけど、落ち着いたら1LDKくらいの広さの部屋を借りるか」
「1ルームで充分じゃない」
「うん、だけどいつか……」
――……聡ちゃんの言葉に涙が溢れた――……
愛しい
こんなに大好きな人と離れるなんてやっぱり考えられなかった。
「聡ちゃん、どうしよう。幸せなのに、すごく怖い」
「大丈夫」
きっと聡ちゃんもあたしと同じくらい不安で怖かったと思う。だけど、あたしを安心させるために何度も大丈夫って言ってくれた。


