「お前は呆れるほどバカ正直だけど、素直でかわいいし家庭的だからすぐにいい奴が見つかる」
は?
「俺はお前の未来を縛るつもりはない。だから俺のことは忘れろ」
な……に、言ってるの?
あたし、ふられたの?
「あたしのこと……嫌いになったの?」
「この部屋の家賃はお前が卒業するまで払っておくから。好きに使え」
そう言って、部屋から出ていこうとする聡ちゃんを追いかけた。
「何で!? 急に意味分かんない!! あたしが卒業したら結婚したいって言ってくれたじゃない!」
溢れる涙。苦しい……。今までで一番苦しい涙。胸が張り裂けそうで、どうにかなりそうだった。
「聡ちゃん、答えて……」
聡ちゃんの服にしがみついて、離さなかった。この手を離したら、もう聡ちゃんは二度と戻って来ない気がしたから。
「あ……あたしがいつも寝ちゃって聡ちゃんの相手しないから……? だよね。こんな彼女、嫌だよね。あたしのこと抱いていいから……」
パジャマのボタンをふたつ開けたところで、聡ちゃんに手を掴まれた。