そりゃあね、幼少時代からうちはよその家と違うなって感じてた。 白米は月に3日だけのご馳走で、ほとんど主食はパンの耳だった。 お小遣いなんてもちろんゼロ。友達はそんなあたしによくアイスをおごってくれた。 思春期になればオシャレだってしたいし、洋服も流行りのものを着たい。だから被服室で先生に教えてもらって手作りの服を身につけていた。 基本的にあたしって極プラス思考。超ポジティブな奴だから貧乏でも不幸だと思ったことはない。それを逆に楽しんでいたのに…… 悲劇は突然、訪れたのだ。