いつか、探してやるから――……
「聡ちゃんからシャワー浴びる?」
「いや、お前からでいいよ。化粧してるんだから、今日はゆっくり浴びろよ」
「はーい」
元気よくバタバタと風呂場に行くラミカ。ネクタイを外して、タバコに火をつけようとした時、携帯が鳴った。
アニキからの着信。
「はい、聡一です」
『俺だ。三日以内に飛べ』
「え? 何ですか。急に」
『逃げ出した女がサツにたれ込んだ。未成年の女を風俗で働かせてることだけじゃなくて、金持ちに女を売っていることもバレた』
は……?女を売っているって……
「人身売買までしてたんですか!?」
『お前には知らないですませたかったんだけどな。そうもいかなくなった。未成年のねーちゃんと暮らしている以上、300万で買ったと疑われるだろう』
親父が言っていたのは、人身売買のことだったのか……
『俺との携帯の履歴は削除しろ。早めにねーちゃんを連れて街を出ろ。じゃあな』
「アニキ! アニキはどうするんですか?」
『俺はまだやることが残ってる。人の心配より、自分達の心配をしろ』