「はい……すみませんでした。頑張ります」
犯人は親父に謝罪し、立ち上がるとラミカのほうへ目を向けた。
「……あのさ、俺まだ26だから。おじさんじゃねぇから」
…………………………。
「ご、ごめんなさい」
こうして、危険なパーティーは本当に御開き。さっさとラミカと帰ろうとしたのに、無理やり姉貴からホテルの最上階にあるレストランでのディナーに誘われた。
「散々振り回されたんだから高いもん食わしてくれるんだろうな?」
「任せろ。私を誰だと思ってるの? 年収2億の人気漫画家よ」
そんな稼いでんのかよ?だったら高い酒も頼んで、代行料金も請求してやる。
「杏、父さん達もいいか?」
げっ……エレベーターを閉めようとした時、親父とお袋まで乗ってきた。
「ダメに決まってるでしょ」
ネタの収集が終われば冷たいな。俺としては有難いけど。
「母さんが聡一に謝りたいそうだ」
「はぁ? 今さら和解かよ? ジジイは聡一を本当に心配していたのは知ってたけど、ババアは聡一のこと煙たがってたくせに」
「杏は母さん似ね。腹黒いのお互い様じゃない」
「一緒にすんじゃねぇよ! くそババア!」
「杏様、落ち着いて下さい」
チッ……まじで帰りてぇ。


