「すげー。皆吉、武術もできるの?」
「いえ、全く」
「ふーん。隙をついて、武術経験もないのに犯人をねじ伏せる彼氏……悪くないわね。よし、次回のネームはこれでいく!」
「勝手にしろ……」
本当にマイペースな奴ら。アホらし……
そう思っていたら、急に俺の両肩を掴んで、顔から足まで全身を見てくる親父。突然の行動に俺は固まってしまった。
「怪我はないか?」
「……ああ」
「皆吉くんは?」
「大丈夫です」
……ナイフを握っていた腕を締め上げたのは皆吉さんのほうなのに
まず俺の怪我がないか心配してくれた。ラミカの言う通り、親父の心意は……
「聡ちゃん、よかったね」
「何がだよ……てか、お前危ねぇことばかりしてんじゃねぇよ!」
「だって〜」
アニキには消火器ぶっ放すし、こいつどんどん強くなっていくな。危険だから喜ばしいことじゃねぇけど。
「立て!」
「皆さん、道を開けて下さい!」
犯人の男が警備員に引き渡される時、親父がそれをひき止めた。


