「何で俺とラミカが行かなきゃいけねぇんだよ!」
「面白いから」
…………………………。
こ、このクソ女……
「だって考えてみて? たくさんの医師や、メーカーのお偉いさんが来る大切なパーティーにヤクザの息子が彼女を連れてきたら……」
「大好きな修羅場になるって?」
「そう! 最高の嫌がらせよ! 私も仮装パーティーのつもりで、ゾンビ衣装で行ってやるつもり!」
「一人でやれ! 俺達を巻き込むな!」
タバコを灰皿に押し潰して、立ち上がった。
「俺は充分、あの家の汚点になることをしてやったからもういい」
「ノリ悪いー。ラミカちゃんを親に紹介しないの?」
「しなくても結婚できるし」
別に、あんな親から祝福されなくても構わない。
「聡ちゃん、行こう」
「は?」
「あたし、聡ちゃんのお父さんとお母さんに会ってみたい」
ラミカは強い口調で俺に言ってきた。だけど、俺はあいつらにラミカを会わせたくない。
「よし! 決まりっ! じゃあ、夕方にラミカちゃんを迎えに来るから。聡一は仕事終わってからこのホテルに来な」
「あ? ちょっ……」
「皆吉、エステと美容院の予約入れて。じゃあねー!」
「お邪魔しました」
爆弾女は嵐のように去っていた。パーティーの招待状だけを残していって……


