「聡一にも招待状届いた? うちの実家の病院、開業50周年パーティーするらしいよ」
「届くわけねぇだろ。ここの住所は教えてないし。それに俺は親のことは捨てたんだよ」
むこうは俺のことを勘当したと思っているけど、俺からあんなクソ家、捨ててやったんだ。
「聡ちゃん、悲しいこと言っちゃダメだよ。聡ちゃんを育ててくれた親じゃない」
「言っただろ? 俺はあいつらの都合のいい人形のように育てられたって。嫌いなんだよ」
「うんうん。分かる。私もあいつらを見返すためにあの豪邸を建てたんだから」
「そうなんですか!?」
「うん。基本的に私、眠れればどんな家でもいいタイプだから」
確かにあの豪邸でジャージ姿の姉貴は不釣り合いで最初は笑った。
あんな豪邸を建てた理由が、親を見返すというところ
姉貴も両親のことをいいようには思っていない。
「で、今日来たのは聡一をパーティーに誘いに来たんだよ」
「はぁ?」
「ラミカちゃんも行こうよ。ドレスは私が用意してあげる!」
ちょ、ちょっと待てよ!!