ユラユラと揺れて、気持ちいい……
そこから記憶がない。次に目覚めた時に見た景色は、アパートの部屋の天井だった。
「あたし、バイクの上で寝ちゃった!?」
「お前が寝ないわけないだろ?」
「え?」
ガバッと布団から起き上がるあたし。聡ちゃんは座布団の上で、タバコを吸っていて呆れた顔であたしを見てくる。
「朝の6時から夜の12時まで。丸1日寝てたな」
「嘘! もうそんな時間なの!?」
カーテンを開けると、すっかり深夜。信じられない……。こんなにたくさん寝たことないし。
「薬のせいだ。まだフラフラするだろ? 水をたくさん飲め」
そう言って、あたしにペットボトルのミネラルウォーターを手渡してきた。お水を買うなんてもったいないな。
「それより、今日もお仕事に行ったの? 堂島さんから何もされなかった?」
「されねぇよ。それどころか、話をしようとしても、何のことだよってしらを切られるしよ」
へ?何で?
「多分、アニキがあんなにキレたのは……俺の口から一番に聞きたかったからじゃねぇかな」


