「俺はお前が生活できるようにかなり便宜をはかってきた。違うか?」
「……はい、かなり助けてもらっていました」
「お前が飛ぶつもりでいるなら、保険としてこのねーちゃんには薬中になってもらう」
「なっ!」
「それとも、お前の指を一本落とすか?」
は?
薬中ってあたしを薬物中毒にさせるってこと?
この世界から、聡ちゃんが逃げ出さないように?
それか、聡ちゃんの指を落とす?
「……すんませんでした。自分の指を……」
「ダメー!!」
あたしは聡ちゃんにしがみついて、大声で叫んだ。
「バカでしょ? どうして、ヤクザを辞めたいって言っただけで指を切る必要があるの!?」
「普通はろれつが回らなくなるのに。大した女だな」
「ラミカ、お前は黙ってろ!」
黙ってられるかい!眠気なんかぶっ飛んで、あたしは堂島さんにくってかかった。


