「あたしを学校に通わせるために今のお仕事続けてるんでしょ? 本当は、今すぐ辞めたいんじゃないの?」
「……タバコ切らした。コンビニ行ってくる」
「聡ちゃん!」
聡ちゃんはあたしの問いかけには答えずに、部屋から出ていった。
何も答えなかったってことは当たりなんでしょ?
学校は辞めたくない。きちんと卒業したいけど、聡ちゃんがあたしのために無理して今の仕事を続けているなら
夏休み明けに退学届けを出そう。
そして、この街から離れて二人で暮らす。
「……とりあえず、寝よう」
色々考えていたら、頭が痛くなった。お布団をひいていると、テーブルの上に置かれた携帯が鳴った。
聡ちゃんの携帯……忘れて行ったんだ。あたしは携帯を手に取ると、見覚えのある名前がディスプレイに映し出されていた。
――堂島さん。
……堂島さんならあたしも顔見知りだし、聡ちゃんのことかわいがってくれてるから
「もしもし」
相談にのってもらおうと、電話に出た。


