「どうした? 今日も分かりやすいくらい元気がねぇな」
聡ちゃんは麦茶を飲みながら、あたしを呆れ顔で見てくる。
「今度は親父でも見つかったか?」
「見つかってないよ! 聡ちゃんのことで悩んでるのに!」
「俺?」
はぁ……なんて切り出したらいいんだろう?
エミさんも言ってたけど、あたしが今すぐにヤクザを辞めてって言っても聡ちゃんはきっと顔を縦にはふらないよね。
「何だよ?」
「ヤクザのお仕事って楽しい?」
「……楽しくはねぇけど。アニキの堂島さんにはよくしてもらってるよ」
「どんな仕事してるの?」
あたしが立て続けに質問すると、聡ちゃんはため息をついた。
「ヤクザの彼女が嫌になったか?」
「違う! 聡ちゃんが危ない仕事をさせられるんじゃないか心配になったんだよ!」
「バーカ。俺は正確にはまだヤクザじゃねぇし」
「へ?」
「組員に登録して構成員になったら、幹部から正式にヤクザとして認められるんだよ。今は取り締まりが厳しいから、俺は登録してねぇから準構成員」
難しい単語がたくさん出てきてよく分かんない。とりあえず、聡ちゃんは正式なヤクザではないってこと?


