「好きな女の子ができても、告られても……僕はレイプして殺してしまいそうで怖かったから断り続けていた。だけど、僕もきちんとした恋愛がしたいから。治るか分からないけど、病院に行くよ」
「……そっか。拓也くんは拓也くんなりに悩んでいたんだね。未遂でも怖かったから簡単には許せないけど、治療は頑張ってね」
ラミカは少しだけ笑って、あいつを優しく励ました。
昨日はあんなに強気で怒鳴り付けていたけど、本当は怖くてたまらなかったんだろう。
「ラミカ……お母さんね、拓海さんと別居しようと思うの」
――え?
ラミカの母親はゆっくりと話し始めた。
「今の生活を失うのが怖くないと言ったら嘘になる。本当に拓海さんと出会えて幸せだったから……でも、ラミカのことが一番大切だと昨日思い知らされたの」
「お母さん……」
「お腹を痛めて生んだ子だもの。ラミカの幸せがお母さんの一番の幸せ……だから、お母さんと二人で暮らしましょう」
ちょっと、待ってくれよ。ラミカが……俺から離れて……暮らす?
「彼氏のあなたには、少しずつになりますが300万円お返しします。今までラミカの面倒を見て下さってありがとうございました」


