「きゃあ! 冷たくて気持ちいい! 聡ちゃんも早く!」
――翌朝。バイキングの朝食をとってから、すぐにラミカと二人でビーチに来た。海の中ではしゃぐラミカはやっぱりかわいい。連れてきてよかった。
「写メ撮ろう! 聡ちゃんとまだ撮ったことないもんね!」
「……ああ」
そうだった。蘭達に先越されてたんだ。写真とか好きじゃねぇけどラミカとなら一枚くらいいいか。
ラミカとくっついて俺がボタンを押した瞬間……
「ラミカ」
「え?」
後ろから声をかけられて振り返る俺達。
そこには、ラミカの母親、その旦那、息子の三人。家族そろって俺達の前に立っていた。
「ラミカちゃん、昨日は拓也と寝ないで話をした。ラミカちゃんにしたことも認めたよ。本当に本当に申し訳ない……!」
父親はラミカに深く頭を下げた。それを見ていた息子も頭を下げた。
「今まで異常で凶暴な自分の性癖を誰にも話せなかった。……だけど、きちんと父さんに話せた。お姉さんが暴露してくれなかったら僕は人殺しになっていたかもしれない。本当にごめんなさい」
二人の謝罪にラミカは黙って聞いていた。


