「そういえばエミさん、大丈夫かな。あたし、感情的になってたから声もかけられなかったけど……レイプされたことがあるような言い方してたよね」
「……恒と付き合い始めた頃に、元彼がヨリを戻してほしいって言ってきたのを断ったら、三人に姦されたんだ。恒はそいつらを半殺しにしてやったけど」
「ひどい……」
「エミちゃんは部屋にとじ込もって、彼氏の恒にさえ怯えて精神的に脆くなっていったけど、恒は絶対にエミちゃんから離れなかった」
あの時期は本当に見ていられないほど、エミちゃんは病んでいた……
レイプの一部始終を聞いたけど、男の俺でさえ反吐が出るほど胸くそ悪かった。
「恒さん、優しい人だね。エミさんが元気になったのは恒さんのおかげたね」
「惚れたか?」
「バカ。あたしは聡ちゃん一筋。それに恒さんに惚れたらエミさんに殺されちゃうよ」
「ははっ、あり得る」
なんだか久しぶりに二人で笑った。そうだよな。辛い時を乗り越えればいつか笑える時がくる。
恒とエミちゃん達みたいに――……
だからラミカが心の底から笑えるようになるまで、俺もずっとそばにいるからな。


