「……ラミカ、来い」
ラミカはゆっくりと俺のほうへと歩み寄って来る。だけど母親に手を掴まれた。
「ラミカ!」
「……お母さん、あたし、その写メを見せたら……一番にあたしを抱き締めてくれると思ったのに。あたしよりも、今の生活のほうが大事なんだね」
「……!」
スルリと掴まれた手は簡単に抜けて、母親はその場に座り込んだ。
俺は泣いているラミカの手を取って、強く抱き寄せた。
「実の娘のラミカのことなら分かるだろ? ラミカは絶対に嘘をつかないバカ正直だって。あんたは血の繋がらない息子のほうをかばったんだ。ラミカは俺が連れて帰る」
「待って! ラミカ……!」
ラミカは俺の胸に顔をうずめて、顔をあげようとしない。
「その携帯、こちらで預かっておきますね」
恒は父親から、息子の携帯を取り上げると淡々と話始めた。
「警察に連絡したら、こちらもこの携帯を警察に提出します。ラミカちゃんと聡一を引き離そうとしたら、お宅の息子さんも逮捕されます。強姦強要罪かな」
「脅す気ですか!?」
「忠告です。息子さんの部屋を調べてみて下さい。レイプ願望の強い子みたいだから、パソコンの閲覧履歴を調べたら、この写メも言い訳できませんから」


