あの時に聞いておけば……。しかもラミカの携帯は、今は俺が持っているし連絡をとる手段がない。最悪だな。



何も情報がなくて、ふと、ラミカのバックの中身を見た。



財布とハンドタオルとキーケース。貴重品は部屋の金庫の中に入れろって言ったのに……


俺があげた財布を取り出すと、外ポケットに封筒が入っていた。



「何だ、これ? 手紙?」



取り出すと、うちに転送されてきた印かんが押してあるラミカ宛の手紙。



「母親からの手紙?」



届いてたんだ。俺と恒は、悪いと思いつつ、中の手紙を読んだ。読んで……大きなため息が溢れた。



「再婚してたから……元気がなかったんだ」


「てことは、ラミカちゃんが母親に連絡してこの海で再会。無理やり連れて行かれたって感じ?」


「無理やりって……普通そんなことしねぇだろ。おかしくねぇ?」


「おかしくねぇよ。聡一は喧嘩の仲裁してたんだろ? あのラミカちゃんだぜ? 誰と一緒に来たか聞かれたら正直に答えてるだろ」



……あり得る。あのガラの悪い集団の真ん中にいる俺を、笑顔で指差しているラミカの姿しか思い浮かばねぇ。