「お母さん! 開けて!!」



こんな場所にいたくなくて、お母さんの制止を振り切って帰ろうとしたあたしは二階の部屋に閉じ込められた。



「拓也くんの言う通り、ラミカは病気なのよ。時間を置いて冷静に考えれば何が正しいか分かるわ」


「あたしは病気なんかじゃない! どうして!? どうして分かってくれないの!?」



外鍵をかけられて、びくともしない扉。あたしは泣きながら、ズルズルと床に崩れ落ちた。



「大丈夫? お姉さん」



ドア越しに聞こえてきた拓也くんの声。あたしはすがる気持ちで訴えた。



「拓也くん、開けて? あたしはスットコドッコイみたいな名前の病気なんかじゃないの!」


………………………。


「ぷっ……面白いね。いいよ、開けてあげる」



やった!カチャリと鍵が開けられて、扉から拓也くんが入ってきた。



「ありがとう、あたし行くね」


「ダメだよ。お姉さんには僕のお人形になってもらうんだから」



――は?