「てめぇから先にぶつかって来たんだろぉ!?」
「ああ? お前の短い足が俺の長い足を踏んできたんだろ?」
「女ばかり見て、よそ見してっからだよ! クソ野郎!」
「言葉が下品だな。下等なチンピラを相手にしたくねぇから去れ」
「だったら丁寧語で話してやるよ。クソ野郎じゃなくて、うんちさん」
「なんだとこらぁ!」
…………………………。
…………………………。
暴走族のみんなが、ヤンキーのお兄さん達と口喧嘩をしていた。
「こういう場所で絡んだり絡まれたり。うんざりよね」
「うーん……止めたほうがよくない?」
「ほっといて私達は遊ぼう。恒と聡一に言えば丸くおさまるよ」
だよね。こういう時は聡ちゃんと恒さんが……
「どこから来たんですか? 一緒に泳ぎません?」
「子供かわいいー。若いのにパパなんだぁ」
聡ちゃんと恒さんはビーチパラソルの下で、肌を露出したギャル二人に逆ナンされていた。
カチンとくるあたし。聡ちゃんはあたしの彼氏なんだから!
「エミさん、どうする?」
「チッ」
…………へ?
エミさんが舌打ちした?


