「聡ちゃんが来てくれる?」
「え? でも俺が行ったらややこしくなるだろ」
両親の行方が分からなくて、借金を肩代わりしてくれたヤクザの家で一緒に暮らしてるなんて
学校にばれたら、ラミカは未成年だし俺は確実にパクられる。
「あたしの従兄のお兄ちゃんってことにすればよくない?」
「従兄ねぇ……この形(なり)じゃなぁ」
自分で言うのもあれだけど、どう見てもヤクザ系にしか見えない。
「髪を黒くして、眼鏡かけて、落ち着いた色の服を着れば絶対ばれないよ! ていうか、見てみたい!」
な、なんか目がキラキラしてんだけど……
だけどラミカに頼られるのは正直嬉しい。
「……今日、髪黒くしてくる」
「ありがとう! 洋服はあたしに任せて!」
てことで、金髪だったこの髪は久しぶりに黒に戻ることになった。