□ 「ぱぱぁ、おそーいっ」 「ごめんごめん、」 「ももちゃん、おきちゃった?」 「ううん、よく寝てるよ」 私の後ろから乳母車の音が聞こえて、娘--なずなが走ります。 いくらかおじさ……大人っぽくなった彼は、足に抱きつくなずなを片手でヒョイと抱き上げて、片手で器用に乳母車を押してこちらに寄ってきます。 「あー、ももちゃんがおはなばたけ」 我が娘ながら訳の分からない……。 苦笑しながら荷物を持ち直して彼女らに近づくと、乳母車の中で寝ている娘--ももの周りにたくさんの白い花。