(愛斗side)


「愛斗んでそんなに暗いんだよ?」


朝から

ありえねぇくらい元気な柾輝が声を
掛けて来た。


「俺さ、彼氏失格だよな〜」


まあ、

俺が落ち込んでてもこいつはいつで
も元気

だかんな。


今だって相談したって意味ねぇこと
も分かってんだけど

ため息しかでねぇから

さり気なく相談してみる。


「恋華ちゃんがさらわれたやつ?
まだ悩んでたなかよ」

「一生悩むっつの」


恋華にあんな恐い思いさせて。

あいつの経験上、

どんなことでも一人で耐えようとする
から


なんも言ってこねぇけど。


今も悩んでんじゃねぇかな?
なんて

あいつのこと考えちまう。


「不安そうな顔すんなって!」

「お前は無さそうだもんな
悩み事とか」